2020年10月17日 関西大学戦(王子スタジアム)

 今年はコロナ禍の中、大変心配されましたが、トーナメント戦が行われることになりました。(負けても各チーム3試合することになります。)

 これまでアメフトにかけてきた4回生はつらいとは思いますが、精いっぱいやりきって欲しいと思います。

 無観客でチームカメラマンも人数制限されています。アメフトライブを見ながら試合をメモしましたので、簡単な観戦記を残しておきます。

 朝から冷たい雨が降り続いていますが、無情の雨となりました。

 

前半)

  コイントスには通常はキャプテンとバイスキャプテンの3名が出てくることが多いのですが、今回は今年の主将の#1村井君だけが出てきます。京大レシーブで試合開始です。選手たちのヘルメットにはマウスシールドがついています。

 

 注目の今シーズン最初のプレーはQB#16中畑君からのロングパス。これまで伝統のランから始めることが多かったのですが意表を突きました。残念ながら成功しませんでしたが、続いてRB#32窪田君がランで8ヤードくらい稼ぎます。そしてQB中畑君がキープしてフレッシュ獲得。

 ここでWR#84水本君にロングパス。走りながら後ろ向きでキャッチし、そのままエンドゾーンに走りこんでTD! 昨年秋の立命館大戦でも同じようなプレーがありました(その時の試合はこちら)。試合開始から1分半も経っていません。京大は最初のドライブで幸先良い得点を挙げました。PATも決まり7-0とリードします。

 

 続く関大の攻撃は京大ディフェンスが踏ん張りパントに追い込みます。LB#47草深君の相手をロスさせるタックルも光ります。攻守交替で京大の攻撃ですがパスをインターセプトされ、再びターンオーバー。雨も影響しているのでしょう。波乱の試合を予想させます。ここでもディフェンスのDL松村君がQBからRBにハンドオフされた瞬間、二人を同時に倒しにいきます。彼も下級生の時から活躍していましたが最終学年になってしまいました。大きくロスさせ4thダウンに。ここはパントですが、関大キッカーはスナップされたボールをこぼしてしまいます。キックをあきらめ、ボールを持って人のいないところに走りこんで1stダウン更新。攻撃を継続させる関大にとってはラッキーなプレーになりました。しかし、京大ディフェンスは頑張っています。結局、相手攻撃はパントで攻撃権放棄。

 1Q残り1:48、京大は自陣14ヤードからの攻撃になります。RB#29石井君がナイスカットバックで相手ディフェンスを切り裂き、大きくゲインします。前にも書きましたが、2017年4回生で活躍した入山君と同じ背番号のため私にはダブって見えます(背格好もよく似ています)。

 RB#32窪田君もダイブしてフレッシュを取り、さらにWR#11若林君にパスが決まります。コロナの影響でうっぷんが溜まっていたかもしれませんが、それを晴らすようなプレーが続きます。

 

 2Qになりました。RB#29石井君がフレッシュを取り、エンドゾーンが見えてきました。しかし、レッドゾーンでの関大ディフェンスも粘ります。4thダウンになりましたのでFGに。K#12川勝君が落ち着いて蹴って3点追加。スナッパー#82清水君、ホルダー#83坂巻君とのスペシャルプレーのトリオは練習が制限される中、息がぴったり合っている感じがしました。TDには至りませんでしたが、ランを中心になかなか上手く攻めたドライブでした。

 

 続くキックは関大のビッグリターンを避けたのでしょうか。転がしたキックでしたが、ハーフラインあたりの良いポジションからの関大の攻撃開始。LB#47草深君が相手をロスさせるも関大はパスを決めてレッドゾーンまで入ってきます。京大ディフェンスはここで驚異の粘りをみせます。大事なところで相手を3ヤードほどロスさせます。関大QBはTDパスを投げます。それをDB#25隠岐君がナイスパスカット。TDパスを阻止しましたが、相手レシーバーと交錯したようでパスインターフェアの反則を取られます。エンドゾーン2ヤードのところからの1stダウン。ここは絶体絶命のピンチです。誰もがTDを奪われることを覚悟したと思いますが、京大ディフェンスはTDを取られまいと強い気持ちでプレーします。それが通じたのか、相手はワイルドキャットフォーメーション(QBではなくRBが直接スナップを受けるプレー)で、スナップされたボールがこぼれます。ロスさせました。続くプレーもQBいプレッシャーをかけてパスを失敗させます。4thダウンになりFGにとどめました。さらにこのFGも雨の影響でしょうか、キッカーが外し、結局、点が入りませんでした。なんと、このシチュエーションで無得点に抑えたことになります。前半終了間際になって関大も攻撃権を得ますが、ここは無理をせず時間を流して10-0で前半終了。

 前半はモメンタムが完全に京大側に来ていたと思います。

 

後半)

 京大キックで試合が再開されます。関大はナイスリターンで39ヤード付近まで戻します。ロングパスが決まります。レシーバーは走りながら後ろからのパスをナイスキャッチ。TDには至らず関大は20ヤード付近からFGを狙います。ボールオンに17ヤード足して37ヤードの少し長い距離でしたが、落ち着いて蹴って関大に3点が入ります。これで7点差になりました。
 京大の攻撃も4thダウンになり攻撃権放棄のパントを蹴ります。K#12川勝君が高い軌道のパントキックをしますが関大のリターナーがキャッチミスでボールをこぼします。滞空時間がありましたので京大#44河本君がラッシュしておりボールに滑り込んで京大の攻撃が続きます。相手陣23ヤードで絶好のチャンスを得ました。雨が影響したのでしょうか。しかし、関大ディフェンスも強力です。結局、京大はFGの3点しか得ることができませんでしたが、13-3と再び10点差となります。
 京大のキックを関大はナイスリターン。スピードに乗って京大陣まで走りこんできます。関大が2009年に優勝した時の藤森選手のような韋駄天の走りのようです。関大は4thダウンに追い込まれましたが、ここで4thダウンギャンブルを選びました。残り4ヤードに関大は勝負を賭けてきたようです。京大はタイムアウトを取り、守り方を確認します。QBが持って走り、ギャンブルを成功させます。流れが変わったかと思いましたが、ここでまたもターンオーバーが発生します。関大が投げたTDパスを京大がインターセプトします。まずDB#21小畑君が相手パスをあわやインターセプトできるところでしたがボールを弾き、それをノーバンでDB#2岡崎君が反応よくキャッチ。ピンチから救われました。
 しかし自陣深いところからの攻撃になります。関大も京大のラン攻撃にアジャストしてきました。結局、4thダウンになりパントですが、ここで京大にミスが出ます。スナップされたボールをこぼし、そのボールを関大がすくいあげてTDに。あっという間の出来事でした。またも雨の影響でボールが滑ったのでしょうか。モメンタムはどちらに転ぶかわからなくなってきました。13-10と3点差まで追いつかれてきました。
 4Qに入り関大はFGを狙います。49ヤードの長い距離でしたが果敢に狙います。追うものの気迫でしょうか、前半と違い、後半は関大の方が積極的な攻撃が目立ちます。一方の京大の攻撃は精彩を欠いています。簡単にパス失敗の場面が増えてきました。ここで関大のナイスパントがありました。この状況の中でキャッチもリスクがありますので、取らないでボールのバウンドに任せました。地面が濡れているので弾まないと判断したと思いますが、これが関大のラッキーバウンドになり、予想に反してゴールの方に転がっていきます。そしてゴールラインの手前1,2ヤードのところで止まりました。嫌な位置です。スナップがこぼれたりするとセフティの危険性もあります(エンドゾーンで止められると相手に2点入ります)。ワンポイントで京大1回生QB#98泉君が出てきましたがゲインはできません。
 4thダウンになり京大はパント。蹴った後に反則が発生しました。ラフィングザキッカーですので、蹴った後の無防備なキッカーに相手が当たったという関大の反則です。ここで反則を取って5ヤード罰退(京大が5ヤード前進)して再度蹴り直すか、反則をディクラインしてプレーを続けるかの選択を京大はできます。京大は前者を選びました。つまり蹴り直しで大きく相手を押し返す可能性を選びました。
 一方、このような天候なので、蹴り直しはリスクも上がります。難しい判断だったかもしれませんが、残念ながらリスクの方が顕在化してしまいました。関大は果敢にラッシュし、キックしたボールをブロックしました。タラレバを言っても仕方がありませんが、このプレーでモメンタムは完全に関大側に移ってしまいました。簡単にTDを奪われ、13-17と逆転されます。
 その後、京大パスをインターセプトリターンTDされ、13-24と引き離されます。試合時間も少なくなってくる中で、京大はノーハドルでどんどん攻撃を仕掛けますが、関大ディフェンスも激しいブリッツなど攻撃的な守備(言葉がおかしい?)で応戦します。残り時間4分を切り、4thダウンになりました。京大はFGで3点を入れましたが、まだ8点差です(2点コンバージョンを成功させれば8点入りますので追い付くことは可能ですが)。
 京大キックはオンサイドキック。10ヤードを越えたところで京大がボールを確保できれば攻撃を行うことができます。成功率はそれほど高くないのですが、成功すればチャンスを引き寄せますので一か八かの勝負です。2018年の東京ボウルでも京大はオンサイドキックをしています(この時はキックの前に選手が前に出てしまい、オフサイドの反則を取られて成功しませんでしたが、Youtubeにアップされています。)。
 しかし、関大もオンサイドに備えています。成功せずに関大の攻撃となります。もう一度京大の攻撃が回ってきますが、インターセプトされ万事休す。ニーダウンで時間が流れ16-24で逆転負けとなりました。
 
 雨もモメンタムや京大のミスに影響したかもしれません。ちょっとしたことが勝敗の分水嶺になることもあります。今年は多くの活動制限があったと思いますが、冷たい雨の中、このように力を尽くした両チームに拍手を送りましょう。
 京大の次戦は11/7(土)12:00 王子スタジアムで桃山学院大学との対決になります。次もPCで応援します。

 

 

1Q

2Q

3Q

4Q

京都大学

7 3 3

3

16

関西大学

0

0

10

14

24

 


 

(スタッツ)

  ギャングHPにリンク

 

(過去の対戦の様子

   2019年2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年

 ( 2018年(最終戦)、2017年(初戦)、2011年(最終戦)に勝利しています)

 

(2020/10/17 )