2023年4月22日 同志社大学戦( 今出川ボウル 宝ヶ池球技場)

 天気はよいのですが、風が強く気温も前日ほどは上がっていません。しかしフィールド上では熱い戦いが繰りひろげられました。終わってみれば1点差。溌溂としたプレーが目立った同志社大学でした。

 フィールド、応援団、観客席が一体になり、こうやって盛り上がれることは幸せなことです。今回はメインスタンドに両チームの応援席があり、試合後に一列に整列して観客に挨拶するというのも新鮮で良かったのではないかと思います。同志社大学とは京同釜を通じて友情を育んできましたので早くDiv.Iに戻ってきてもらい切磋琢磨できればと思います。


 以前、農Gで撮った京同釜の写真です。

  京同釜の由来は何度も書いていますが、昨年記載したものを再度掲載します。「京大アメフトの創部時には同志社大学からの防具などの貸与などがあり、同じ釜の飯を食った仲という意味で、米軍京都軍政部長のシェフィールド少佐(ギャングスターズ創部時のジョン・ピンカーマン監督の上司)より昭和22年(1947年)に釜が贈られました。その後所在が不明になり、OBOG会により2005年に復刻されましたが、毎年、両校の友情の証として、定期戦で勝利したほうが持って帰ることになっています。 」


(前半)

 同志社大のリターンで試合開始。京大のキックは風で乗ってタッチバック。20ヤードからの攻撃になりますが、ディレイの反則で5ヤード罰退。しかしパス、ランを次々決められ、このドライブはゴール前まですんなり進まれます。なんとかFGに留めますが3点を同志社大に先制されます。

 

 次は京大の攻撃になります。最初のプレーはQB#17泉君のラン。デザインされていたのかスクランブルなのかはよくわかりませんでしたが、相手のしつこいタックルを跳ね返しながらゲインしていきます。その後、QBサックを受けてロスし、結局3&アウトでパントにより攻撃権を放棄します。京大の攻撃は続きません。一方の同志社大はレッドゾーンまで進みます。そして同志社大パスで京大のパスインターフェアの反則が発生し、ゴールまでのハーフディスタンスを進んでオートマチック1stダウン。京大サイドから“集中!集中!と声が飛びます。2Qになりゴール前3ヤード付近。京大、絶体絶命でしたが、なんとか凌いでまたもFGで留めました。これで0-6TDで一発逆転できる点差ですがモメンタムは完全に同志社大の方に傾いています。

 

 京大の攻撃、WR#8杉浦君にパスが決まり始めます。しかし、攻撃は続きません。一方の同志社大もパント。風上から蹴ったため風に乗って大きく飛びます。京大リターナーは流すつもりだったと思いますが、ボールがイレギュラーバウンドしたのか触れてしまい、イリーガルタッチで同志社大選手がボールを確保して、京大は苦しい場所で相手に攻撃権を与えてしまいます。ここはさすがにTDを決められてしまいます。PATも成功し7点が追加されて0-13とかなり苦しい展開になってきました。

 

 同志社大のキックオフで試合再開です。リターナーの#22平原君が華麗な走りを披露します。観客席からも「おー」と歓声が聞こえます。しかし、ここでも攻撃は続きません。

 

 前半残り127秒。京大はパントで攻撃権放棄する場面で相手のラフィング・ザ・キッカーの反則が発生。これで生き返りました。パーソナルファウルなので15ヤード進んでオートマチック1stダウン。残り時間113秒。時間との勝負です。サイドラインを割って上手く時計を止めます。残り時間47秒。しかしまだ自陣。ここで平原君にパスが決まりサイドラインを割ります。さらにパス失敗でも時計が止まります。タイムマネジメントの重要性を理解しているからこそ、それぞれの緻密なプレーが成立します。WR#8杉浦君にピンポイントのパスが通りレッドゾーン近くまで。そして残り時間11秒。QB#17泉君は相手のプレッシャーを受けながらもWR#88吉田君にTDパスを投げます。相手ディフェンダーを搔い潜りナイスキャッチ。PAT#88吉田君が続けてホルダー。きっと息が切れているのではないかと思いますが、K#12沢田君が蹴りやすいようにホールドします。そしてキック成功後の信頼の握手。このシーンは結構好きです。沢田君はスナッパーの小島君とも握手(タッチかな?)します。前半終了前の土壇場で7点を返し7-13で折り返します。


リトルギャングスターズ、リトルワイルドローバーズのキッズコイントス


LB#40中村君のナイスタックル


RB#22平原君の華麗な走り


RB#32石塚君


WR#8杉浦君にパスが決まり、レッドゾーン近くまで


QB#17泉君から


WR#88吉田君にTDパスが決まります。


#88吉田君は休む間もなくPATのHに


PATが決まりK#12沢田君H#88吉田君が握手


(後半)

 さあ、後半になりました。このままリードされたままで終わりたくありません。同志社大キックオフで試合再開です。上空の風が強いのか、やはりタッチバックになります。京大の攻撃ドライブ。しかし、QB#17泉君からのパスがインターセプトされます。これは相手DBの読み勝ちだったかもしれません。前半、なかなか相手を止められなかった京大ディフェンスでしたがエンジンがかかってきました。3rdダウンでオフェンス側のパスインターセプトが発生しますが、ここはディクラインで4thダウンに。

 

 京大の攻撃。2回生RB#42長田君が入ってきます。見事フレッシュ獲得。WR#8杉浦君にパスが決まった後、RB#22平原君が大きくゲインして残り10ヤード付近まで来ました。QB#17泉君のキーププレーで倒れながらTD成立かと思いましたがインチ残りました。そして4thダウンになりました。ここはどうする?ギャンブルです。あとは意地のぶつかり合いだけです。パワー系RBが出てくるか、ダイブかなと思いましたが、泉君のキープでTD。泉君の強い想いを感じました。PATも成功し14-13と逆転しました。

  沢田君のキックで再開しますが、これも風の影響でしょうか。2回続けてキックのアウトオブバウンズの反則になります。直接サイドを割ってはいけません。2回連続ですので合計10ヤードの罰退となります。さすがに3回目はゴロキックを蹴ります。

 

 いよいよ最終Qになりました。1点差ですので勝敗の行方はまだまだわかりません。

クォータータイムの時に同志社大選手が皆声を張り上げてチームを鼓舞しています。それに共鳴して同志社大応援席にも大きな歓声が響き渡ります。相手チームとか関係なしに、こういう光景はアメフトファンの心を揺さぶります。これが効いたのでしょうか。同志社大は90ヤード近くのドライブを数プレーでTDにつなげます。14-19と同志社大に再逆転されました。点差を勘案して、ここはキックによる1点ではなく2点コンバージョンに行きます。このプレーでもう一度TDに成功すれば2点が入ります。そうすれば京大にTDを取られても同点ということになります。しかし、パスは失敗で得点変わらず。ゲーム残り時間941秒。

 

 その後、同志社大は京大陣に入ってきますが、DB#30下山君がナイスパスカット。4thダウンになりました。

 残り時間642秒。京大は自陣20ヤードからの攻撃が始まります。WR#88吉田君にパスが決まりました。低い弾道でしたがよく捕りました。自陣45ヤードからの1stダウン。RB#32石塚君がフレッシュ。ボールがこぼれたように見えましたが京大が確保したようです。QB#17泉君がキープで相手陣深くまで。残り時間241秒。エンドゾーンまで20ヤード。14-193rdダウン3の状況。絶対にTDを取らないといけません。QB#17泉君はRBにボールを渡すふりをします。ほんの少しタイミングをずらしてキーププレイで本日自身2本目のTD。なかなかの役者です、20-19と再々逆転しました。ここは1点でも2点でも変わりません。当然2点コンバージョンに行きます。もし2点入れば相手FGが決まっても負けることはありません。ここでパスが投じられますがインターセプトされ失敗。

 

 残り時間2分少々、同志社大の攻撃です。ここはぜひ守り切ってほしいところです。同志社大は4thダウンでギャンブルに成功します。同志社陣深いところですが諦めていません。同志社大のノーハドル攻撃が始まります。ここで京大のビッグプレーが出ます。DB#5鈴木司恩君のQBサック。残り時間24秒。まだ少し時間が残っています。相手QBはロールしながらロングパスを投げますが見事に決まりました。京大陣に入ってきました。残り時間16秒。この怒涛の攻撃を止められるか。FGレンジまで進まれると逆転負けを喫する可能性もあります。双方の応援席のボルテージも上がります。実に面白いゲームです。京大も最後のタイムアウトを使って落ち着かせます。(たぶん同志社大はスパイクして時計を止めたでしょう)

 タイムアウトが解けてゲームクロックが回ります。残り45ヤード。パスを投げましたが失敗。時計は止まります。残り8秒。再び長いパスが投げられます。レシーバーの手にはかかったようですがパス失敗で試合終了。最後はドキドキの試合展開になりました。 


RB#23小林君


副将のDL#93渋谷君


RB#42長田君

2回生、これからが楽しみです。


QB#17泉君がTDを狙いますがわずかに足りず


あとインチです。


4thダウンになって、ここはギャンブル。

今度はTD成功!


PATでK#12沢田君のキックも成功

大文字をバックに


QB#17泉君からRB#32石塚君へのオプションプレー


ゴール前での攻防

てっきりRBが突っ込んだと思いきや


絶妙なタイミングでQB#17泉君のキープでTD

(カメラも騙されました)

 


応援団によってTD後の「新生のいぶき」が演奏され、観客席からは手拍子とともに歌が聞こえてきます。

(コロナも落ち着き、この雰囲気が戻ってきました。)


試合終了直前での京大のビッグプレー!

DL#5鈴木司恩君のQBサックでロスさせます。


 

 

1Q

2Q

3Q

4Q

京都大学

0 7 7

6

20

同志社大学

3

10

0

6

19

 


今年も京大が京同釜を持ち帰りました。


 試合終了後に京同釜の授与があり、今年も京大が持ち帰りました。試合後には新入生の勧誘もあり、この試合を観て奮い立った新入生も居たに違いありません。これまでの対戦成績ですが接戦になることも多く、今出川ボウルと銘打ってポスターが貼られたのが2013年と記憶していますので(間違っていたらゴメンナサイ)、それ以降の結果を以下に示します。

 

結果(京大-同志社大)

2013年(農G

24-24(引き分け)

2014年(農G

20-14

2015年(農G

6-6(引き分け)

2016年(農G

49-30

2017年(農G

20-0

2018年(農G

14-7

2019年(宝ヶ池)

3-0

2020

中止

2021年(宝ヶ池)

21-10

2022年(宝ヶ池)

17-14

2023年(宝ヶ池)

20-19(1点差)


 (アメフトライブ by RTV

 https://watch.amefootlive.jp/details/25867?playlist_id=47(無料)

 

(写真)

  写真のページ(PW)

  

(メンバー表)

  京大メンバー表(スターティングメンバー)

  京大メンバー表(全体)

  

(スタッツ)

  ギャングHPにリンク

  

(過去の対戦の様子

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(ネットニュース)

 スポニチ

 

 

 新入生歓迎の様子はブログの方に載せておきます。なかなか楽しかったです。

 

(2023 /4/22、4/23追加 )