2023年9月17日 神戸大学戦(王子スタジアム)


 いよいよ第2節、9月中旬を過ぎましたがまだまだ暑い日が続きます。キックオフの時刻は12:10ですので選手たちも大変です。今回は宿敵といってもよい神戸大学。勝つか負けるかはゲームが終わらないとわからないという接戦が続いていますが、今回も最後は壮絶なものとなりました。


(前半)

 京大レシーブです。神戸大のキックは弾道が低くリターンはできません。25ヤード付近からの最初の京大の攻撃。WR#88吉田君にパスが投げられますが神戸大DB#25松本君が読んでいました。二人とも高槻高校アメフト部です。ほとんどゲインはありません。3rdダウンコンバージョンでパスですが、ボールが弾かれてあわやインターセプトになりそうでしたが、結局パス失敗。京大最初の攻撃ドライブは3&アウトで終わります。パントはスナップが乱れあまり戻すことができませんでしたが、神戸大のリターンが素晴らしく京大陣42ヤード付近からの神戸大の攻撃になります。

 神戸大はラテラルパスですが京大LB#45前更君がキャッチと同時にタックルし大きくロスさせました。神戸大も結局パントになりました。京大の2回目の攻撃ドライブは自陣15ヤードから。ここからが本番です。RB#42長田君が体幹の強さを発揮して6ヤードほどゲイン。WR#85上田君にパスが決まりフレッシュ獲得。TE#89植野君にパスが決まり、さらにRB#32石塚君がゴリゴリ押して3rdダウンショート。そして頼りになる主将QB#17泉君がランでフレッシュ。わかっちゃいるけど止められない。相手陣まで入ってきました。WR#81阿部君にパスが決まりフレッシュ。さらにWR#8杉浦君にパスが決まり連続してフレッシュを取ります。ここで神戸大のオフサイドの反則が発生してまたもフレッシュ。いつの間にかレッドゾーンまで来ています。そして最後はWR#88吉田君にTDパス。このドライブは気持ちよく完成させました。沢田君のキックも安定しておりPAT1点を加えて京大がまず7点を先制します。応援団の演奏に合わせて観客席から高らかに新生の息吹が歌いあげられます。第1Q残り345秒。神戸大の攻撃はフレッシュを1度許すもパントに追いやり、3回目の京大の攻撃ドライブ。RB#32石塚君の2回のランでフレッシュまであと少し。3rdダウン1くらいでしょうか。ここでビッグプレーが出ます。QB#17泉君からパスを受けたWR#85上田君が相手タックルを何人も掻い潜り(サッカーでいえばドリブルで何人か抜いたようなイメージ)、タッチダウン! ボールオンが自陣38ヤード付近からの攻撃だったので正味60ヤードは走り切ったでしょうか。最後は独走でした。

 PAT終了後にクオータータイムになりました。1Q2本はなかなかうれしいものです。京大のキックオフでゲームが再開されました。ボールは大きく伸びエンドゾーンまで飛びました。タッチバックで25ヤードからの神戸大の攻撃が始まります。DL#93渋谷君が割り込んでロスさせました。さらに神戸大QBがパスを投げる瞬間、DL#55桑田君が後ろからパンチし、こぼれたボールをLB#54遠藤君が確保しました。前パス失敗かどうか審判の協議がありましたがファンブルが認定されて攻守交替。モメンタムは完全に京大に来ている?ここで加点出来れば今日はかなり有利になるはずです。

 しかし、前節で立命館大と熱戦を繰り広げた神戸大です。そんな甘いものではありません。いいポジションからの京大の攻撃でしたが、インターセプトされました。神戸大DB#4伊原君です。またも高槻高校ですか。今年から京大のフレッシュメンコーチの依藤先生の教え子たちが同じフィールドで戦っています。(依藤先生の記事はこちら

 神戸大の攻撃になります。スナップが乱れましたが神戸大QBは落ち着いてパスを投げて大きくゲイン。今はモメンタムが神戸大に来ているようです。数プレーでゴール前まで来ますが、ここは京大ディフェンスも粘ります。3rdダウンインチ、京大はここでも止めます。4thダウンインチになりました。ここで神戸大はタイムアウトを取ります。そしてギャンブルプレーを選択します。神戸大はQBスニークで素早くTDを奪いました。これで14-7

 続く京大の攻撃、RB#32石塚君がまずまずのゲイン。そしてQB#17泉君がフレッシュを取ります。RB#42長田君が相手陣まで持ち込みます。RB#32石塚君もゴリゴリいきます。前半終了まで残り時間1分を切りました。ここでQB#17泉君からWR#85上田君にパスが決まり、上田君もサイドラインに出て時計を止めます。エンドゾーンまで15ヤードくらいでしょうか。前半残り時間は45秒。まだ大丈夫です。ここで一度パス失敗。時計は回りません。WR#85上田君にQB#17泉君からパスが投じられます。レシーブした後、相手タックルをスピンしながら振りほどき、そのままエンドゾーンに走り込みました。前半終了間際に7点を追加し、21-72本差になりました。


TE#89植野君にパスが決まります。身長185cmは魅力です。


WR#8杉浦君がフレッシュ獲得


WR#88吉田君がパスを受け本日1本目のTD


WR#85上田君が相手タックルを次々かいくぐっていきます。


そして、そのままエンドゾーンに

PATも成功し14-0に


相手ファンブルしたボールをLB#54遠藤君が確保し、攻守交替します。


WR#85上田君がパスを受けて、そのまま走り込んでTD(本日、自身2本目)


(後半)

 前半は曇りがちでしたが、後半になってから雲が切れてとても暑くなってきました。

 後半は神戸大がレシーブ。すなわち攻撃になります。京大キックはまたもエンドゾーンまで飛びタッチバック。神戸大の最初のドライブは京大陣に入ったくらいのところで4thダウンになりましたがギャンブルです。4ヤードほどありましたが、ここはパスでギャンブルを成功させます。さらにそのまま順調に進んでゴール前まで。最後はショベルパス(下手投げのパス)でTDに。何か簡単にTDを奪われてしまった感じがします。21-14ですが1本差はこの先安心できません。

 続く京大の攻撃、WR#81阿部君にパスが決まりフレッシュ。WR#88吉田君にパスが決まりフレッシュ。QB#17泉君から小気味の良いパスが投げられます。相手陣まで入ってきました。QB#17泉君がランで大きくゲインしますが京大にホールディングの反則があり10ヤード下がります。ここでWR#85上田君に起死回生のパスが決まり再びフレッシュを取るものの3rdダウンコンバージョンでフレッシュが取れず4thダウン。ここでクオータータイム。いよいよ運命の最終Qになりました。

 この4thダウンの状況で京大はFGを狙わずギャンブル選択です。この場面では一番確率の高いのはQB#17泉君のランだと思います。彼に託すしかないと心の声が。神戸大もそう読んでいたらしく、ディフェンス5人くらいがQB#17泉君に集中します。ギャンブル失敗で攻守交替。神戸大の観客席は大盛り上がり。ターンオーバー後の最初のプレーで神戸大はロングパスを成功させたかに見えましたが、痛恨のホールディングの反則で10ヤード罰退して1stダウンのやり直し。つまり1stダウン20と神戸大は苦しくなったのですが、次のプレーでスクリーンパス。これが京大タックルをすり抜けて神戸大選手は一気に80ヤードくらいは走ったでしょうか。最後は誰も追いつけずにTD。とうとう21-21と追いつかれてしまいました。まだ試合終了まで11分以上残っています。何か嫌な予感がしてきましたが、イカンイカン、その予感を振り払いましょう。

 さあ、京大は自陣25ヤードからの攻撃です。RB#32石塚君が3ヤードほど稼ぎ、WR#81阿部君にパスが決まりフレッシュ。次はRB#42長田君が2回のランで4ヤードほど稼ぎ、今度はWR#85上田君にパスが決まりまたもフレッシュ。相手陣まで来ました。そしてTE#89植野君にパスが決まり、これで相手陣深くまで入ってきました。さらにWR#8杉浦君にパスが通ります。パスが次々決まって相手陣16ヤードまで。ここで久々のランプレー、RB#32石塚君がボールを持ちます。エンドゾーンまであと10ヤードほど。さあ、次のプレーはどうする?(NHK大河ドラマ風で) 出ました!QB#17泉君のキーププレーです。しかしサイドラインを割ったようであと1ヤード。TDを決めたのはRB#32石塚君です。TD後、右手のこぶしを上げています。PATも成功です。イエローフラグが飛びましたが相手のオフサイドの反則でディクライン。28-21になりました。それにしてもSN#24鈴木翔大君、H#88吉田君、K#12沢田君のトリオは安定しています。成功後の信頼の握手(タッチ)は好きなシーンです。

 試合終了まで残り521秒。ここは相手のTDを阻止してほしいところでしたが、神戸大のリターナーが走り、もうすぐ京大陣というところまできました。さらに4thダウンギャンブルを成功させてきます。なかなか小洒落たプレーでした。さらにパスでレッドゾーンまで。そして神戸大の仕上げはTDパス。あれよあれよと取られてしまった感じです。試合終了まで141秒。PAT(Point After Touchdown)ではなく、ここで神戸大はプレーで再度TDを狙う2点コンバージョン(通称ニテコン)を選択します。通常のTDとは違い、成功すればボーナス点として2点が入ります。PATでは1点しか入らず、成功しても28-28で同点。タイブレークはありませんので同点であれば引き分けになります。もし、次の京大の攻撃でFGを決められると負けることになります。とりあえず同点にということではなく勝負に来ます。ネットでニテコンの成功率を調べると40%くらいというのがありました。そこに勝負を賭けます。勝つか負けるかはわかりません。これがまさにアメフトの醍醐味。結果は京大DL#55桑田君のQBサックにより失敗。しかし、この神戸大の攻めの姿勢はリスペクトします。試合終了まで残り141秒。神戸大はオンサイドキックを狙います。こちらのデータも成功率25%というのがありました。その4回に1回の成功に賭けます。成功すれば神戸大が攻撃できますが、ボールはサイドラインを割って失敗。 

京大の攻撃となります。残り時間138秒。ここはランで時間を消費することになりますが、神戸大もタイムアウトを取って時計を止めます。(フィールド内で倒れた場合は時計が回りますがパス失敗やサイドラインを割れば時計が止まります。タイムアウトでも時計が止まります。タイムマネジメントが重要です。)京大はオフェンスがボールキャリーしている選手を押し込んで1stダウンを取ります。通常、押しくらまんじゅう状態になれば笛がなってボールデッドになるようですが、ここでは京大オフェンスの気持ちが乗ったエクストラゲインになりました。

 これで勝負あり、神戸大もタイムアウトを使い切り、最後はQB#17泉君がニーダウン(フィールド内で倒れたのと同じで時計が回ります)で最後は京大観客席も一緒になって勝利のカウントダウンとなりました。

 それにしても神戸大とはもつれる試合が多く、国立大同士の意地がぶつかり合っています。それにしても最後の神戸大のニテコンには痺れました。


LB#40中村君がブリッツに入り、相手QBにプレッシャーをかけます。


神戸大学は意表を突いたショベルパスでTDを奪います。


京大、4thダウンになりギャンブル


頼みのQB#17泉君でしたが、相手ディフェンスが集中し止められてしまいました。


RB#32石塚君がエンドゾーンまで運んでTD!

 


神戸大、スクリーンパスを受けた選手が独走しTD。


神戸大学が2点コンバージョンで勝負を仕掛けてきました。しかし、京大DL#55桑田君のQBサックでそれを阻止します。(本日のキープレーと言えるでしょう)


 

 

1Q

2Q

3Q

4Q

京都大学

 14 7 0

7

28

神戸大学

0

7

14

6

27

 


第3節は甲南大戦です。10月1日、15:00キックオフ。彦根総合スポーツ公園にある平和堂HATOスタジアム(動画はこちら)。滋賀では長浜ドームで試合が行われることはありますがここは初めて行きます。(アクセスはこちら


 (写真)

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(メンバー表)

  京大メンバー表(スターティングメンバー)

  京大メンバー表(全体)

  

(スタッツ)

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 (直近の春の対戦結果

 2023年春の対戦の観戦記  

 

(過去の秋の対戦成績)年号をクリックすると観戦記が出てきます。

    京大 神戸大

 2022 31 - 24 (勝利)

 2019  7  - 16 (負け)

 2018 14 - 31 (負け)

 2017年 神戸大はDiv.IIに降格

 2016 17 - 0 (勝利)

 2015 10 - 7 (勝利)

 2014  0  - 10 (負け)

 2013 17 - 9 (勝利)

 2012 17 - 15 (勝利)

 2011年 26 - 13  (勝利)

  

(ネットニュース

    日刊スポーツスポニチ

 

(ハイライト動画

 https://www.youtube.com/watch?v=mFB-S9b3XkA

 

WR#85上田君インタビュー

 https://youtu.be/YcwDQ3qMYQ0

 

   (2023.9.18アップ)


(雨太夫さんの動画)

    https://youtu.be/SuKvr6oHllc

(2023 /9/24 アップ )